人間中心デザインとは
Human Centered Design(HCD)、人間中心デザイン(人間中心設計)が注目されはじめたのは1999年にISO13407(現在はISO9241-210:2019)「インタラクティブシステムにおける人間中心設計プロセス」として制定されたときからです。
それまでも、人間工学からのアプローチやユーザビリティやアクセシビリティなど利用者中心のものつくりの考え方はありましたが、一連の設計プロセスとして初めて規格化されました。
その後、この考え方をもとにWeb業界を中心にしたユーザーエクスペリエンス(UX)デザイン、マーケティング領域でのカスタマーエクスペリエンス(CX)、IDEOが体系化したデザイン思考、欧州発のサービスデザイン、テクニカルライティングからUXライティングへ、など多くの領域での取り組みに拡大、発展してゆきました。
近年のデザインマネジメントを基軸にしたデザイン経営やデジタルトランスフォーメーション(DX)における一つの核となる考え方、Society5.0の人間中心の考え方にも通底しています。
『人間中心デザイン(HCD)とは、モノ・コトに対して「利用者視点」と「共創」によって新しい価値を生み出すことであり、「問題の設定(発見)」と「解決策の探求(創造)」を「繰り返すこと」を中核とした「メソッド(プロセス+手法)」と「マインドセット(心構え・捉え方)」のことである。』と定義しました。マインドセットとは、HCDを実践するために基本となる「相手の立場に立って考えられること」、「人を思いやること」「当事者意識を持つこと」といったことです。
HCDの基礎知識として、基礎知識体系があります。これはHCDの専門家が数年かけまとめたもので、理念、基本プロセス(計画、要求定義、具現化、評価、運用)と基礎知識で構成され、それらに必要な代表的な手法を示しています。
HCD基礎知識検定では、これらの領域の知識、マインドセットを問う試験を行います。
最後に人間中心デザインでの、「人間中心」という考え方は、日本人が特有に持つ人間観に基づいたものです。西洋の「人間中心主義」や「征服すべき自然」とは異なり、共存・共栄するものとしての自然観や、近江商人の「三方よし」のように社会、地域へ貢献することも視野に入れた、日本発の人間中心デザインの考え方、捉え方です。
HCS共創機構概要
名称
一般社団法人人間中心社会共創機構
Human Centered Society Co-creation Organization
設立日
2022年6月8日
所在地
〒107-0052 東京都港区赤坂4-2-12-213 ソシオメディア株式会社内
事業内容
- 人間中心デザイン(以下「HCD」)に関する、検定その他の人材育成及び組織改革支援事業
- HCDに関する調査・研究事業
- HCDに関する商品・サービスの設計・開発・評価・分析する事業
- HCDの有効な指標の開発とそれにもとづく認定・認証事業
- HCDに関する普及・啓発事業
- HCDに関する相談事業
- その他この法人の目的を達成するために必要な事業及び前各号に附帯・関連する一切の事業
理事・監事紹介
理事
- 宇田 哲也 氏
- 富士通株式会社 デザインセンター センター長
- 鱗原 晴彦 氏
- 株式会社U’eyes Design 取締役会長/社団設立準備委員会代表
- 勝沼 潤 氏
- 日本電気株式会社 コーポレートエグゼクティブ
- 白坂 成功 氏
- 慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 教授
- 高橋 慈子 氏
- 株式会社ハーティネス 代表取締役/社団設立準備委員
- 田丸 喜一郎 氏
- 一般社団法人 WSN-ATEC理事長/九州工業大学 客員教授
- 冨永 敦子 氏
- 公立はこだて未来大学 教授
- 福住 伸一 氏
- 国立研究開発法人 理化学研究所革新知能統合研究センター 副チームリーダー/東京都立大学 客員教授/公立千歳科学技術大学 客員教授
- 鷲田 祐一 氏
- 一橋大学 商学部経営管理研究科 教授/学長補佐
監事
- 丸山 満彦 氏
- PwCコンサルティング合同会社 パートナー